REPORT

2003年 3月22日
ミュージカル「ノイズ&ファンク」赤坂ACTシアターにて

タップダンスの舞台を生で見たのは始めてです。10年以上前に、グレゴリー・ハインズ主演の映画「タップ」を見ましたが、実は今回の振り付け・主演のセヴィアン・グローバーは、この映画で、子役で出演していたということです。

開演前から舞台そででタップの慣らしをする音が聞こえ、期待が盛り上がります。

奴隷船でアフリカからアメリカへ連れてこられて以来、迫害され続けてきた黒人の歴史をつまびらかにしながら、夢と誇りを賭け自分達のビートを追求してきた姿を、タップダンスと歌とパーカッションで見せるミュージカルです。

常に迫害と暴動と隣り合わせの中、白人に楽器を取り上げられたために自分達の手や足でリズムを刻むことをあみ出し、タップが生まれ、夢と希望と仕事を求めて移ったシカゴでも暴動さわぎにまきこまれがらも、徐々に、ジャズなどを中心とした黒人の文化が花開いていき、時に大衆に迎合することを求められる中で、少しずつ自分のビートを追い求めていく、、。

黒いバックの前でセヴィアンが、シンプルなスポットライトの下、タップの先人達に思いを馳せ、彼等のことを語りながら踊るタップのソロにぐっときました。
又、ポリバケツを裏返してスティックでたたく、N.Y.スタイル(?)のドラム(しかもツインドラム)の力強さとリズム感、研ぎすまされた圧倒的なパワーはすばらしかったです。
舞台最後には、現代のN.Y.に生きる自分達がテーマとなり、例のポリバケツ・ドラムのリズムに合わせ、6人がかわるがわるステップを披露する部分の自由な雰囲気、そして音楽とダンスでたたみかけるフィナーレは大いに盛り上がりました。

ショーとして演出されており、特に、白人に対して恨みつらみを述べてはいませんが、これだけ迫害の歴史をなぞる内容だと、アメリカの白人はあまり楽しめないかもしれません。
それでもこの舞台が、ブロードウェーで数々の賞を受賞したのは、そのすばらしさはもちろんですが、N.Y.がアメリカの中でも特に多くの民族で成り立っている都市だということも無縁ではないと思います。

出演しているアフリカン・アメリカン達にとって、アジアの小さな島国でこの舞台をやることに、どれほどのモチベーションがあるかは解りませんが、フィナーレで、舞台上と客席が、ライブ会場のように一体となり盛り上がったのを見ると、彼等にとって、少なくとも自分達のビートが、ダンスのリズムとエネルギーが、充分に伝わった手ごたえはあったのではないかと思います。
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